つれづれ日記 地方創生

「人口増=幸せ」ではない?地方に広がる“移住の光と影”と観光の可能性

こんな方におすすめ

  • 「観光」と「移住」のバランスを考えたい方
  • 地元での人間関係や文化の変化に疑問を感じている方
  • 地方移住や観光振興に興味がある方

ここ数年、日本の地方都市では「移住」「地方創生」といった言葉をよく耳にします。
確かに、人口が減少し続ける中で、新しい人の流れをつくることは地域にとって大切なテーマです。
私が暮らす西日本の田舎町でも、他地域からの移住者が増え、まちが少しずつ変化しています。

一方で、人口増にはメリットとデメリットの両面があります。
特に地元住民の間では「人が増えたことで住みづらくなった」という声も少なくありません。
今回は、私自身の実感をもとに“地方の人口増加の現実”と“観光によるプラス効果”の両方をお話ししたいと思います。


人口増加の裏で見え始めた“モラルの変化”

私の地元では、ここ数年で移住者が急増しました。市は「人口が増えた」と喜んでいますが、実際に暮らしている住民の目線では、手放しに喜べない面もあります。

特に感じるのが交通マナーの変化です。以前はほとんど見なかった信号無視や歩行者軽視が増え、道路の雰囲気が少し荒くなったように感じます。
もちろん全員ではありませんが、地域のルールや空気を理解しないまま生活を始める人が増えているのも現実です。
「人が増える=文化の多様化」という良い側面がある一方で、地域コミュニティのまとまりが失われることもあるのです。


自治体の“数字重視”が生むすれ違い

移住を促進する自治体の姿勢にも課題があります。
「住みやすい街」「子育て支援充実」といったスローガンは耳障りが良い一方で、実際には元からの住民が置き去りにされているケースも少なくありません。

箱モノ事業や移住者向けの支援ばかりが目立ち、古くから暮らす人々へのサポートが手薄になっていると感じることがあります。
人口という“数字”を追うあまり、地域に根づいた人々の声が届きにくくなっている──そんな空気を感じる瞬間があるのです。

観光は“健全な外の風”をもたらす

移住には課題がある一方で、観光の側面では多くのメリットを感じます。
観光客は長期的に定住するわけではなく、地域文化や自然を“体験する”形で関わります。
これにより、地域の人々も自分たちの文化や暮らしを見直すきっかけが生まれるのです。

観光を通じて地域の魅力を発信し、共感した人が「また来たい」「ここに住みたい」と思うようになる──
そうした自然な流れこそ、地域に無理のない人の循環を生むと私は考えています。

観光は、押し付けではなく“交流のきっかけ”。
これをうまく活かせる地域は、移住よりも健全な形で成長していくでしょう。

土着の人を大切にすることがすべての基盤

最終的に大事なのは、「元々住んでいる人を大切にする姿勢」です。
古くから地域を支えてきた人たちの声が届かなくなれば、いずれその土地は魅力を失います。
人口の多さではなく、住民同士の信頼関係が地域の豊かさを決める──それを忘れてはいけません。


🪞まとめ

人口が増えること自体は悪いことではありません。
むしろ、新しい視点や文化が入ることで地域が刺激を受け、観光やビジネスの可能性が広がることもあります。
ただし、数字の増減だけに一喜一憂するのではなく、「どう共生していくか」を考えることが大切です。

移住も観光も、最終的には“人と人とのつながり”が土台。
外から来た人も、もともと住んでいる人も、互いを尊重し合える地域であってこそ、本当の意味で「住みやすい街」が生まれるのだと思います。


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