こんな方におすすめ
- 地域に密着したビジネスを志している人
- 旅行業に興味があるが、業界に不信感を抱いている人
- 外国語を使って仕事をしたい人
旅行業と聞くと華やかなイメージを抱く方が多いかもしれません。しかし、僕が旅行業を志すことになったきっかけは、華やかさとは真逆の、理不尽さと憤りからでした。外国語を学び、海外に度々出向いていた経験を持ちながらも、旅行業界とは無縁だった僕が、なぜ今になって旅行業を始めようと思ったのか。
その背景には、長年積み重ねてきた海外との接点、そして旅行業界の閉鎖性に対する強烈な反発心がありました。この記事では、僕が旅行業を志すようになった理由と、それに至るまでの経緯を正直に綴っていきます。
外国語と海外渡航が僕に与えた旅行への親近感
僕の人生には、常に外国語と海外渡航がありました。中学・高校・大学と一貫して英語や中国語を学び、仕事の関係でも中国やベトナムに頻繁に足を運んでいました。特に100円ショップの卸売りのビジネスで関わったときには、現地との打ち合わせや交渉のために旅費自腹で海外に飛ぶことも少なくありませんでした。これらの経験は、単なる旅行好きというレベルを超えて、僕にとって海外渡航が日常の一部となるほど自然なものでした。パッケージツアーなどは一切使わず、全て自分でフライトや宿泊、現地移動の手配をしていました。そんな環境で育まれたのが、"自分で旅を創る"という感覚です。この積み重ねが、旅行に対する特別な思いを育てていたのだと今になって感じています。とはいえ、若い頃の就職活動では旅行業を一社も受けませんでした。それは、当時の自分にはそこまでの確信がなかったからです。しかし、20年以上経って、自分の経験と感覚を活かせるのはやはり旅行業なのではないかと、再び意識するようになったのです。
フライトキャンセルから見えた旅行業界の闇
2019年、仕事で中国を訪れた帰り、僕はあるフライトキャンセルに遭遇しました。それは深センから広島空港への便で、空港に着いて初めてキャンセルを知ったのです。当然連絡は一切ありませんでした。その日のうちに帰国しようとお土産を買い、家族にプレゼントを渡す準備をしていた僕にとって、その知らせは衝撃的でした。急遽、自力で広州経由、関空経由で帰るルートを模索し、やっとの思いで帰国。にも関わらず、航空会社や旅行会社に連絡しても、返ってくるのは責任回避の言葉ばかり。「そういう事情なので」「ご対応できませんでした」など、誰一人として謝罪すらしなかったのです。この時に痛感したのは、旅行業界におけるサービスの欠如と、責任感のなさでした。サービス業であるはずなのに、客を単なる取引相手としか見ていない。そんな冷たさが、僕の中で強烈な不信感として残りました。そして、「この業界は変わらなければならない」「ならば、自分でやるしかない」と思うようになったのです。
古い体質に反発して自ら立ち上がる決意
僕が経験した旅行業界の不誠実さや無責任な対応は、単なる一例ではなく、業界全体に蔓延する古い体質の表れでした。旅行業協会への問い合わせでも、高圧的な態度を取られ、個人の不満や疑問に対してまともに向き合う姿勢が見られなかったのです。こうした閉鎖的な体質、サービス精神の欠如、そして当事者意識のなさに、心底失望しました。だからこそ僕は、そのような組織には属さず、自ら旅行業を立ち上げることを決意しました。資格を取ってまで県外へ展開するつもりはありません。むしろ、地元・山口県に限定し、地域密着型の旅行業を手掛けることで、自分の手が届く範囲で満足度の高いサービスを提供していきたいと考えています。外国語が話せるという自分の強みを生かし、インバウンド向けのプランも積極的に構築していく予定です。旅行業界に絶望したからこそ、誠実さと信頼で勝負したい。そんな反骨精神が、今の僕の原動力になっています。
自分の信念で創る新しい旅行スタイル(800字)
現在、僕は地域限定旅行業の資格を取得し、山口県内を中心とした観光プランを提案しています。これは、従来の団体旅行やパッケージ旅行とは一線を画すものです。僕が提案したいのは「自分だけの旅」。旅行者の興味やスケジュールに合わせてカスタマイズし、かつ、地域の魅力を深く味わえるような内容にすることを目指しています。特に力を入れているのが、海外からの訪日旅行者向けのプラン作成です。中国語・英語対応が可能で、現地からの問い合わせにも柔軟に応じられる体制を整えつつあります。これまでのように、型にはまった商品を売るのではなく、体験や感動を届ける旅行を構築していくことで、業界のあり方そのものに一石を投じたいと考えています。また、Instagramでも山口県の魅力を発信し、SNSを通じて新しい顧客層を取り込むことにもチャレンジしています。僕の旅行業は、利益追求だけでなく、誰かの大切な時間を支える存在であることを目指しています。
まとめ
僕が旅行業を始めようと思ったのは、単なる夢や希望ではなく、理不尽な経験と怒り、そして反骨心からでした。業界の在り方に疑問を抱き、自分の手で誠実な旅行業を創り上げることこそが、自分の使命だと感じています。山口県という地域に根ざし、訪れる人にとって忘れられない体験を届ける。そんな想いで、今後も地道に活動を続けていきます。