つれづれ日記 地方創生

外国人には普通の商店街が面白い?シャッター街をどう見せるか

こんな方におすすめ

  • 商店街や古い町並みを観光資源にできないか考えている人
  • 山口県など地方都市で外国人を案内している人
  • 地域の日常や歴史を使った小さな観光商品を作りたい人

外国人旅行者を案内すると考えると、

有名な神社。

城。

絶景。

温泉。

歴史的建造物。

といった「観光地らしい場所」を探したくなります。

もちろん、こうした場所は分かりやすい観光資源です。

しかし地方を歩いていると、

観光地でも何でもない普通の商店街

に外国人旅行者が興味を持つことがあります。

古い看板。

昔ながらの喫茶店。

八百屋。

惣菜屋。

小さな酒屋。

昭和の雰囲気が残る建物。

色あせたアーケード。

自転車で買い物に来る地元の人。

こうした風景は、日本で暮らしている側からすると珍しくありません。

 

むしろ、

「ここに観光客を連れてきても何もない」

と思ってしまう場所です。

ところが海外から来た人にとっては、その「普通」が日本の日常そのものです。

一方で地方の商店街では、閉店した店舗が増え、シャッターが並んでいる場所も珍しくありません。

では、こうした場所を外国人へ見せることは観光になるのでしょうか。

ポイントは、

「シャッター街そのものを面白がる」

ことではありません。

なぜこの町ができたのか。

昔は何があったのか。

今も何が残っているのか。

町の人は現在どのように暮らしているのか。

そこまで含めて見せることで、単なる寂れた商店街が「地方の日本を知る場所」に変わります。

今回は、普通の商店街やシャッターの多い町を、外国人旅行者へどう見せるか考えます。

外国人にとって「普通の商店街」は生活文化を見る場所になる

外国人旅行者が日本へ来て見たいものは、必ずしも有名観光地だけではありません。

日本人が普段どこで買い物をしているのか。

何を食べているのか。

昔はどんな店があったのか。

どんな家に住んでいるのか。

地方ではどのように生活しているのか。

こうした日常に興味を持つ人もいます。

例えば商店街を歩いて、

「これは何のお店ですか?」

と聞かれる。

見ると、昔ながらの蒲鉾店だった。

そこで、

山口県では魚の加工品が身近にあること。

地元ではどう食べるのか。

スーパーの商品とは何が違うのか。

という話ができます。

 

酒屋なら日本酒。

和菓子店なら季節の菓子。

昔ながらの喫茶店なら日本の喫茶店文化。

一つの店舗から、地域の生活文化へ話を広げられます。

つまり商店街観光では、

建物を見ること

だけが目的ではありません。

店を入口にして、

日本人の生活を説明する

ことが価値になります。

有名観光地では、

「これは1600年代に建てられました」

という説明が中心になるかもしれません。

商店街なら、

「地元の人は今でもここで買っています」

という現在進行形の話ができます。

これが普通の商店街を外国人へ案内する面白さです。

シャッターが閉まっている理由まで話せば「地方の変化」が見えてくる

シャッター街を見ると、

観光には向かない。

寂しい。

見せるものがない。

と思いがちです。

しかし閉じた店にも、町の歴史があります。

例えば、

かつて駅前が町の中心だった。

商店街に人が集まっていた。

大型スーパーができた。

郊外型店舗が増えた。

車中心の生活になった。

人口が減った。

後継者がいなくなった。

こうした変化によって、商店街の姿が変わってきた地域があります。

 

外国人へ案内するとき、

「ここは閉店しています」

だけで終われば、確かに何も面白くありません。

しかし、

「30年前はこの通りに買い物客がたくさんいました」

「昔は駅から歩いて買い物するのが普通でした」

「現在は車で郊外の店へ行く人が増えています」

と説明すれば、日本の地方社会そのものが見えてきます。

人口減少。

高齢化。

車社会。

地方商業の変化。

こうした少し難しいテーマも、目の前の景色を使えば理解しやすくなります。

 

ただし、

「日本のシャッター街を見せるツアー」

のように、衰退そのものを娯楽化する必要はありません。

そこに暮らしている人にとっては生活の場です。

閉店した店にも家族や歴史があります。

だから、

「寂れて面白い」

ではなく、

「地方の町がどう変化してきたのかを見る」

という見せ方の方が自然です。

シャッター街だけ歩かず「今も営業している一軒」を入れる

商店街ツアーを面白くするうえで重要なのが、

実際に人と接する場所

を一つ入れることです。

例えば、

昔から続く和菓子店。

小さな酒屋。

喫茶店。

鮮魚店。

惣菜店。

パン屋。

こうした店舗です。

20分歩いて建物を見るだけより、

一軒の店に入る。

商品を見る。

一つ買う。

店主と少し話す。

という体験が入るだけで、町の印象が大きく変わります。

 

例えば和菓子店なら、

500円程度で好きな物を一つ選んでもらう。

それを近くの公園やベンチで食べる。

 

そこから、

なぜ日本では季節ごとに菓子が変わるのか

という話へつなげることもできます。

外国人旅行者にとって、

商品を自分で選ぶ。

日本語で注文してみる。

お金を払う。

店員と短い会話をする。

ということ自体が旅の体験になります。

商店街ツアーでは、

10軒説明する

より、

一軒で実際に何かする

方が記憶に残ることがあります。

地方観光では特に、

「見る観光」

だけでなく、

「少し参加する観光」

を入れることが重要です。

商店街だけで完結させず、駅・路地・スーパーまでつなげる

普通の商店街だけを1時間歩くと、場所によっては単調になります。

そこで、

商店街+何か

という組み合わせを考えます。

例えば、

ローカル駅

商店街

昔ながらの喫茶店

地元スーパー

小さな神社

というルートです。

これなら、

地方鉄道。

町の商業。

食文化。

日常生活。

宗教文化。

を短時間で見ることができます。

 

あるいは、



鮮魚店

商店街

酒屋

居酒屋

なら、港町の食文化を一本のストーリーにできます。

山口県の地方観光では、有名スポットを一つずつ巡るだけでなく、

「この町では人がどう暮らしてきたのか」

という一本の流れを作ると面白くなります。

例えば商店街の近くにローカル線があれば、

昔は列車で買い物に来る人が多かった。

現在は車中心になっている。

という説明もできます。

 

シャッター街だけを見ると「閉まった店の通り」です。

しかし駅や港、スーパーとつなげると、

町がどのように作られ、どう変わってきたのか

というストーリーになります。

地方のインバウンド観光では、点ではなく線で見せることが重要です。

「何もない」を隠さず、むしろ静かな時間を商品にする

地方観光を考えるとき、

「外国人を退屈させてはいけない」

という気持ちから、予定を詰め込みたくなります。

しかし旅行者によっては、

人の少ない道を歩く。

古い商店街をゆっくり見る。

ローカル線の音を聞く。

小さな喫茶店で休む。

港で船を見る。

こうした時間そのものを楽しみます。

東京や大阪、京都を回ってきた旅行者なら、むしろ人の少なさが魅力になることもあります。

だから商店街で、

「ここは何もありません」

と説明する必要はありません。

 

代わりに、

「観光地ではなく、普通の地方の町です」

と伝える。

これだけで見方が変わります。

例えば30分の町歩きなら、

古い看板を探す。

気になる店を一軒選ぶ。

日本独特の商品を探す。

昭和らしい建物を探す。

という小さなテーマを作っても面白いでしょう。

ガイド側がすべて説明し続ける必要もありません。

少し自由に歩いてもらう。

写真を撮る。

質問が出たら答える。

こうした余白を残した案内もできます。

外国人旅行者に地方を見せる場合、

「すごい場所を見せ続ける」

ことだけが観光ではありません。

日本の地方にある静かな時間を体験してもらう。

それ自体が、大都市とは違う旅行商品になります。

まとめ|シャッター街を売るのではなく「地方の日常」を案内する

普通の商店街を外国人向け観光にすると考えたとき、無理に観光地らしく装飾する必要はありません。

大切なのは、

なぜこの通りがあるのか。

昔はどんな人が利用していたのか。

今もどんな店が残っているのか。

町の生活はどう変わったのか。

という背景を見せることです。

そして、できれば一軒だけでも営業している店へ入る。

何か一つ買う。

地元の人と短く交流する。

そこまで入ると、ただ歩くだけの商店街が旅の記憶になります。

 

地方には、

世界遺産。

巨大な寺院。

有名美術館。

がなくても、観光は作れます。

むしろ、

普通のスーパー。

普通の駅。

普通の商店街。

普通の港。

こうした場所を組み合わせることで、その土地でしか見られない「生活」が見えてきます。

シャッターが閉まっていることも含めて、現在の地方の姿です。

それを面白半分に見せるのではなく、

町が歩んできた時間として説明する。

そして今も残っている店や人へつなげる。

そうすれば、

「何もない商店街」

ではなく、

「日本の地方の日常を知る町歩き」

として十分に成立します。

山口県のように、大都市とは違う静けさや港町、ローカル線、昔ながらの町並みが残る地域では、

こうした小さな町歩きそのものが、外国人旅行者へ提供できる一つの価値になります。

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